大樹/はじめ
は真っ白な世界になり星々は黒くなる
星々は染みのように点在している
骨になった僕は開いた口で宙を見つめている
僕の詩が漂っている
僕は塵となり詩と混ざって黒い物体となり風に乗って運ばれる
空間の梁の部分にそれは溜まって ゆっくりとドロリとした液体のように流れ落ちる
空間の中は真っ暗闇に変わる
何かが生まれそうな気がする
明るくなると双葉が生えていた
一人の少女がじょうろを持ってその双葉に水をかけていた
その双葉はすくすくと育ち
やがて立派な大樹となるだろう
戻る 編 削 Point(2)