大樹/はじめ
 
は真っ白な世界になり星々は黒くなる
 星々は染みのように点在している
 骨になった僕は開いた口で宙を見つめている
 僕の詩が漂っている
 僕は塵となり詩と混ざって黒い物体となり風に乗って運ばれる
 空間の梁の部分にそれは溜まって ゆっくりとドロリとした液体のように流れ落ちる
 空間の中は真っ暗闇に変わる
 何かが生まれそうな気がする
 明るくなると双葉が生えていた
 一人の少女がじょうろを持ってその双葉に水をかけていた
 その双葉はすくすくと育ち
 やがて立派な大樹となるだろう
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