光の胎児/ヴィリウ
 
光の中で 君の中で死んでゆきたい

目を閉じても尚闇が訪れないくらいの洪水のやうな光の中で

折れるくらいに強く

君に抱き締められて

眩暈がするほどに満たされたなら

不意の終はりも 至福だと思へるのです



ねえ きみ


まう一度 気が触れるくらいに側にゐて下さい

愛して下さい



狂おしゐほどの 光の中で死んでゆきたい

目を閉じても尚血の色を 此の瞳が見続けるくらいの光の中で

窒息するくらいに固く

君に抱き締められて

揺るぎ無い愛情を感じることが出来たなら

わたしは君で良かつたと思へるのです






遥か昔 胎児だつた頃から

ねえ

おかあさん

戻る   Point(2)