光の胎児/ヴィリウ
光の中で 君の中で死んでゆきたい
目を閉じても尚闇が訪れないくらいの洪水のやうな光の中で
折れるくらいに強く
君に抱き締められて
眩暈がするほどに満たされたなら
不意の終はりも 至福だと思へるのです
ねえ きみ
まう一度 気が触れるくらいに側にゐて下さい
愛して下さい
狂おしゐほどの 光の中で死んでゆきたい
目を閉じても尚血の色を 此の瞳が見続けるくらいの光の中で
窒息するくらいに固く
君に抱き締められて
揺るぎ無い愛情を感じることが出来たなら
わたしは君で良かつたと思へるのです
遥か昔 胎児だつた頃から
ねえ
おかあさん
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