絵本「魔法の林でかくれんぼ」/まどろむ海月
 




 きみの声 どんなだか

 忘れてしまったのに

 こうして 目を閉じていれば

 きみの ほほえみ は

 あのときのまま

 僕の心も

 あのときのまま





 わるい魔法だ なんて

 うそ だよ

 春の新しい 花の香に

 つつまれていると

 僕には ほんとうに

 よくわかるんだ



 きみの声が 魔法を解くのさ

 僕は あの日のままに

 少年の姿にもどって

 きみを つかまえるだろう



 そうしたら

 こんどは きみのばんだよ



 魔法にかかって

 僕のうでのなかで

 僕とひとつになるんだ















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