記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
 
ので、コンビニで時間を潰していたはずだ。
舞子がコンビニまで迎えに来た。
いよいよ、彼女の家へ。

非常にどうでも良い話だが、
この日、御題を決めて、イラストを書いてくる、と言う遊びをやった記憶がある。
御題はスピッツの歌「スパイダー」。
結局、俺のイラストはhideの「ピンクスパイダー」になってしまったが。

彼女の部屋で、何かの匂いを嗅いだ。
何の匂いかは今でもわからない。
同級生の話、俺の字に似た癖を持つ女の子の話、
色んな話、ハグ、キス、ハグ、キス、突き放す、微笑み。
ギラギラした俺を見た彼女は、嫌になったらしく、
その日は何もせずに、俺は帰る事になった筈だ。
いや、口でしてもらったのかも知れない。
多分、そうだろう。そのはずだ、多分。
彼女の家に、初めて行った時は、何も出来なかったはずだ。
お前等は、ギラギラしているか?

友人にメールを送る。
「今日は何の日?正解は仏滅でした!」
笑いを忘れない道化師は、一体何を考えていたのだろう。
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