角砂糖/和泉蘆花
 
あなたに逢えたらマフラーみたいに抱きついてやろう
暖かな場所をふたり求めて
ちいさな喫茶店に入る
ふたつ お茶を頼んで
わたし角砂糖を落とす
泡の中に恥ずかしがりの気持ちが見える
あなたのカップにわたしはネ
悪戯心で角砂糖を入れるの
甘くていいの
今日は切ないほどに 甘く
泡が消えたらわたしは もうひとつ
角砂糖を落とそう

楽しいおしゃべりがはじまって
時間を忘れてしまいたい
また逢えるかどうか最初に聞けたらいいのにな
甘いお茶がなくなっても
お代わりをする時間をくれる?
マフィンをふたりで頼んでネ、
二種類のマフィンを半分個

ちいさな喫茶店で 同じ空気を吸って
温かいお茶を飲みながら
白と茶色の角砂糖はどちらが好みか聞いたりネ
甘すぎるお茶はすぐに飲めなくて
マフィンを急いで食べちゃうと咽に詰まらせちゃうから ...... 。

あなたに逢えたらマフラーみたいに抱きついてやろう
わたしの腕の中で過去と未来が繋がる
こころの握手は永遠に離れることがなく
あなたへの想いは角砂糖より甘くて
切ないほどに 甘くて

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