「こころ」 (あなたへ)/ベンジャミン
それは
ただ真っ白なノートのようで
けれど
不思議に美しいノートでした
その場限りの言葉では
跡を残すことさえできない
そんなノートでしたが
熱い言葉なら
焼きつけることができました
冷たい言葉で
傷つけることができました
それは
だんだんと色を重ね
それが
ただ真っ白なノートだったと
そして
思い返すことさえ忘れてしまう
けれど
わたしがわたしでありつづけ
あなたがあなたでありつづける
それを唯一
証明してくれるものかもしれません
たとえばこんな
詩であることに
それ自体が意味を主張しないのと
同じように
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