渦/ゆうさく
 
アルバムには
渦ができると聞いたから
日曜日の夕方
アルバムを見る。
紫色の空気が
包み込む

どんどん青くなる僕。
神は哀れに感じて
渦を作り出し
僕を渦に押し込む

ぐるぐる回る、
楽しい想い出。
哀しく現実と
混ざり合う。
ぐるぐる回る
今と過去の狭間を
僕は回る



目が覚めると
ここは
僕が大好きだった、
白昼夢の小学校の
真上の空。
宙に浮いている
僕が持っているのは
アルバムのみ
下にはもう一人の僕
手が空まで伸びて僕をつかんで
下へと引きずり込もうとする
僕自身と戦う僕
引きずり込まれるのを
ぐっとこらえる

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