座標/LEO
満たされた月が
静まる夜に息をかけ
澄みわたる気配は
、まるで水の中
地に影おく木々の枝先は
水草のように揺らめきたって
浮かびあがる山の稜線で
青さを図る
私は膝をかかえ
天を見上げるだけの
微動だにしない
一個の石と化し
幸福に似せた形を模す
月のように
まるい形
瞬く星に
古よりの伝えをなぞるべく
一点に指先をおいてみても
この月明かりのもとでは
それさえままならず
君はいま
どの星のもとにいる?
訊ねたいことは
たくさんあっても
結べずにいる点と線
開くことのない唇だけが
始まりも終わりも
同じであると知っている
今夜の私は
石でした
青い夜
深い底
てらてら月が輝いている
黙するものにも
その身の一片を照らして
まるい月が見えますか?
訊ねたいことは
たくさんあっても
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