『花の咲く植物』/しめじ
 
眼球の下にそっと差し込んだヒマワリの種が
芽吹いた

冬だと言うのに街が暖かい
ラフロイグのビンがそこかしこに転がっている
白い玉砂利を食わされた犬がひっくり返っている
通り雨に降られる
のろしが湿気て使い物にならない

カレーライスに突き刺さった銛を引っこ抜いて
戦士たちは渋谷のスクランブルで雄たけびをあげる
ツタヤのガラスはいまや跡形もない
血みどろになりながらも必死でキャッチをしているお兄さん
いまや生きることが難しい世の中なのです
などと呟くパナマ帽を被った紳士を撲殺しつつ
我々は来るべき電信都市建築のために立ち上がらなくてはならない
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