その肋骨を私に/
朽木 裕
夢を見なくなる日
その日にこそ私は死ぬのだろう
泣いたりしないって
消えたりしないって
誓って
今すぐに誓って
このくちびるも
この肌もすべて
誰にも渡しはしないから
足の爪も髪の一本さえも
君の中を流れる真っ赤な血液さえ
誰にも
白い煙が流れて消える
君は確かに誓ってくれたのに
裏切りは罪だよ?
だからねぇ、
その肋骨を私にください
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