冬の猫カフェ/Hantama/ibukijohn
あたりは
もうすっかり 日が暮れて
さっきよりも一層
夜の黒さが炙り出されてきた
カウンターに置いてある
さっきまで温かかったウインナーコーヒーは
白のホイップだけを僕に食べられ
見るも無残な姿になり冷えきっていた
目の前には窓があった
一風変わった窓だった
両手を広げた程のサイズで
白塗りの枠に
薄いガラスが二枚 コトリとはめ込んであるタイプだった
まるでリゾート地の洋館かの様だ
外は雨が
ガーガー降っていて
ガラスさえ無ければ
雨粒は私の手の届く範囲にあった
あちら側は もう圧倒的な夜の暗さで
雨がありとあらゆるものを包み込み
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