*掟破り*/知風
 

捕まった男は姫のもの
その内で一番似合いのふたりが
来年までの“薔薇のめおと”

それは嘘っこの結婚だけど
獣のサマンサは胸で祈った
どうか私のあの人が
私を捕まえてくれますように


家出人エィディーは金持ちの息子
だけど今は香水工場の下っぱ
労働者の溜まり場で見つけた娘
おてんばサマンサに首ったけ

触れ合うほどに離れられない
それが若い恋の常
金も名誉もないけれど
想いばかりはあり余る


男は獣を追いかける
男は獣を捕まえる
そうさそれが僕の役目
今日の僕は愛の狩人

薄絹ひらひら着飾った
薔薇の姫なんて目じゃないのさ
しなやかで風
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