君が恋しいから眠れないのだ、と。/パノラマ音源
 
言ってしまえるなら世話は無いが
とにかくあたくしは眠れないのです。

出来れば和室で眠りたい
胸を二つともみっちり砂壁に貼りつけて
ざらざらの砂壁に鼻先をあてて
君の体温を背中に感じて

…何か硬いものがあたりますなぁ
…いやなに護身用の刀でござるよ
…そうでございますか あたくしふしだらな想像をつい
…いやいや安心なされい
…おやすみなさいませ
…ふむ おやすみなされい

それから壁に口づけをして
そのまま壁にめり込みたい

目覚めれば君は一人で
さめざめと声無く悲しく泣いて
キラリ光る切っ先を天に向け
ブンブンと振り回してほしいんです。
戻る   Point(2)