レモネード/夕凪ここあ
 
眠れない夜に
レモネード
窓辺にため息
ひとりとひとりが
薄くかすんで
やがて消えた
雲がかる夜

冬の星座が見れたら素敵だね

ひらけた
草原に寝転んで
空を見上げれば
今にも星が
落ちてきそう
指先で
結んだ点と点
好きかってに作った
でたらめな星座

ふれる程度の
指先
ほどけてしまいそうな
それでも
わたしたち
何よりもせいかくに
繋がっていた
冬に吹かれながら

レモネードを
飲みながら
叶いそうもない
なんだか
くすぐったい
話ばかりを
朝まで続けてた

ひとつ
大きく息を吐くと
ゆっくり晴れる空
それでも
星と
星の距離は
遠い
なぞったところで
見覚えのある
形になんて
ならない

涙がひとつ
カップに零れて
やさしく揺れる
温度を忘れかけた
レモネードは
知らない味で
ほんの少しだけ苦い
冬の香りがした


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