73、最後 【さいご】/
雨宮 之人
わけもない始まりが毎日にありふれて
同じような存在が今日も街を歩く
私も あなたも
他の何十億と、何の違いがあって
だけどつまりは、どこまで行っても
私は私、
あなたはあなたで、
違うように今も歩いているのだろう
視界に光が降り注ぐ
ピンボケを起こしたカメラみたいに
できるなら、陽だまりの中で絶えたいなぁ
わけもなく何事かの終わりが
紆余曲折を経てありふれる今日
明日が最後のあなたは、そこで微笑んでいる
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