甘味/ねなぎ
 
て言うんだから」
と話しているのは
パートのオバさん達

「下の子も社会人でしょ」
「私の所は働き出したと思ったら、すぐに辞めちゃって」
「下の娘は未だ卒業してないし」
「上の子が又、学校に行きたいとか言うんだよ」
「大学出てから学校で何を勉強したいのかねぇ」
「何でもやりたい仕事をするには資格が欲しいとかでねぇ」
「年金を当てにして、そろそろゆっくりしたいとか考えていたんだけどねぇ」
「まあ、働ける内が花だよ」
「仕事も有るし、もうちょっと稼いどかないと誰も当てに出来ないからねえ」
「まあ、あんたの所みたいに、内には老人とか居ないから未だマシかねぇ」
「そんな事を言ってる内に私等も老人だよ」

そして
個々の背に染み付く
音を立てながら
一日は始まっていく

自分の甘さを
コーヒーに溶かして飲み干しながら
少し長めに煙を吐く
戻る   Point(1)