旅は終わり日常は続く/水中原動機
 
旅先で送った荷物が
さっき届いて
ほんとに終わってしまったんだと
寂しさかかえる

空は青くて海も青くて
風の音が聞こえる
手の中に確かにあった日々が
もうずいぶん遠くに感じられる

いたい日差しの中
誰もいないビーチで
紺碧と色とりどりの魚
ながめて声失ったとか

夜中の海に
素っ裸で飛び込んで
沈め合いしてたら
死ぬかと思うほど怖かったとか

知っているはずの星座が
判別できないほどたくさんの星に埋まって
砂浜に寝転がってたはずが
いつのまにか寝てしまったとか

ひとりじゃ飲まないビールも
ひとりじゃ作らないごはんも
みんな一緒なら楽しくて
合宿みたくて

あるいは夏休み
田舎に帰ってたような
そんな場所は
そもそもなかったはずなのに

出会わなかったかもしれない
みんなと出会い
ハグして別れて
何かが増えた

旅は終わり日常は続く
いつもと同じに見える日常が続く
今日のボクには少しだけ
違って見えるけど
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