春の雪/まどろむ海月
{引用=
遠い雲と雫が
まわり舞い
霧の匂いの頁に
痩せた流木が
書き留めた
風の足跡が届く
さびしさの果てに
信じるものは何 ?
歪んだ鏡に
消えていく郷愁が
つむがれる夜
金の糸の踊りのように
凍える物語は
ふるえ はばたき
したたるのです
黒くうねる大海原
すいこまれ 消えていく
果てしない時間
深くもぐっても
暗さはますばかり
降りしきるマリン・スノー
宇宙の闇
なんという奇妙な幻想を
逃れえぬ世界と思い
生きているだろ
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