ひよどりばな/
知風
叫ぶ時 叫べ
叫ばねば 裂けよう
心を裂けば 裂け葉ひよどり
秋に咲かねば 冬も想わじ
くろがねもちに 火 入りて
啄ばむ 幼き火喰い鳥
空に舞えども 胸に羽毛無く
赤き炎で 熱くたぎる
稲穂に隠れて 舌切り雀
したきり逃れて 無難に進め
燕雀安んぞ 鴻鴣の……いや
それは言葉にすべきでもない
高鳴きひとつ 太陽にひとつ
ひとつっきりの 身体震わせ
最後にとうとう
紅く弾けた
裂けた想いの 残り火が
今 林縁に 白く揺れる
2005、冬
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