レトルトカレー/
オズ
話の向こう側の男はこたえる
「当たりです」
「それは、当たりの袋です。ちょっと多めに入ってるでしょう?」
ちょっと?
「おめでとうございます!」
電話はプツンと切れた
カレーはとうとう腰まで達して 私の脚はもう動けない
窓の外を サラリーマンが通り過ぎる
テレビは今日のニュースを伝える
夕暮れ時 アパートの一室で
私がこうして 黄色い海に沈んでいく事を誰も知らない
誰 一人として
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