赤眠/ねなぎ
刻は鼓動のように
流れていくから
電信柱の陰に隠れて
泣いているのは
電荷でしかありえない
停められない
自動筆記の
駐車スペースが
店員で一杯で
誘導されるべき
つり銭が
どこにも見あたらないので
眠る場所をとられた羊が
とても赤い所為
なかないでください
処理出来ません
錆びの浮いた
この街では
透明な羊から
流れ出す赤さは
電荷のように
鴉の目に映って
そして
一定のリズムで
ゆっくりと
落ちて行く端の
とめどなく流れる
その青い赤さ
ここもすっかり
変わってしまって
居心地が悪くて
出て行けない
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