そして、あなたの耳がちぎれる/花丸ぺけ
 
いまさ、こうやってぼくがキーをカタコトカタコト叩いてさ。

コンピューターにいろんな計算をさせてさ。

カタコトカタコト。

そしてさ、見えない電波で繋がっている回線を通してさ。

うねうねーってした電波が、カタコトカタコトと打たれたキーボードの信号をさ。

こう、ずーっと向こうの国まで運んでるんだけどさ。

それがどこに運ばれてゆくのか君知ってる?

カタコトカタコト、君の打っているキーと僕の叩いているキーボードの信号はさ。

影響力が違うのは当たり前のことだけどさ。

テレビつけてごらん。

もう、何も写らないだろ。

カタコトカタコト、おっこっちゃったんだよ。

東京に。

あのタワーだって溶けて崩れてなくなっちゃったんだよ。

やっぱりさ。50年前、100年前かわからないけどさ。

そりゃ1秒前かもしれないけどさ。

おっことしちゃだめだよ。

耳ちぎれちゃうもん。
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