アルカリ性への偏西風/キセル
 
焦げた檸檬色の河を撫でつけるように
清流が世界の中心を
吹き 抜けていく
あゝ
なんという 

心地


働き盛りの青信号が
幾何学模様の蜃気楼を
視せ 整っていく
唯の初心者マークでしかなかった
この見渡す限りの草原が
一体いつから

風は日に日に強くなり
私の麦藁帽子は
重力に
私の髪は
校則に
ぶつからないように
舞い上がり
伸びる

そのうち
世界の中心も
飛んでいってしまうのだろう

――むしろ

なぁ
夏風よ



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青春です。

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