25才/ふぁんバーバー
 

にこにこ猫をかぶっています
にゃあと鳴いていさえすれば
たいていのことはごまかせます
でもひとりの部屋に帰れば
こころのどこかがキュッと泣くのです

好きなひとは
いません
いまは


海を見に行くのが好きです
ひとりで波とあそびます
裸足であしあとを消しながら
歩いてきた
どのいっぽだって
波がきれいに消してしまいます


(好きなひとは
 いまでも)


まちがっていたあの日も
ただここにやってくるため
ただ今日のわたしがいるだけ
25才
結婚式にはこないだ買った
ちょっと派手な着物を着ていこう
みんなおどろくかな
たのしみだな




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