W/ねなぎ
 

べとついて
鼓膜から離れないのです

そのまま
雑音が
増幅されて行く

ベクトルに寄って内積を求める

後ろの溜息が
大き過ぎて
頬が痒くなるくらい
気分が悪く
なっているのです

切り捨てて
しまいたい感情を
飲む事で不燃の
泣きそうな塊は
溶けていく事も無く
硬く尖って転がっているのです

そのまま
消えないかと
望んでいる

量と変化される位置を考えている

後ろで笑う声が
掠れたように
突かれているので
笑えない気持ちは
益々に強くなるのです

指が歪んでいる
目の前が薄暗い
キーボードを叩きつけて
安定を願っている

不安定に
濁り噴き黙り
何も思えなく
なっている

蓄えられたエネルギーの変換が
物質に及ぼす関係性

後ろから
「おい、君なぁ」
と声が飛んでくるが
無視をして文字を打っている
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