鍵っ子の帰宅/ブライアン
職場の横に小さな遊歩道があった。
古びた銭湯の横には、湿った薪がおいてある。
コンクリートからは草がはみ出していて、腰掛にもならないパンダが一頭、色の褪せたペンキをうらむように佇んでいた。
「今日のご機嫌はどうだい?」
鉄柵には蔓が巻きついている。
遠くには、都庁のビル。
怖いもの知らずの装いは、テレビに映る都知事の顔にそっくりに映る。
「夕飯は、冷蔵庫にしまってあるから」
木造のアパートが並ぶ。
建築中の高層マンションが大きな音を立てる。
野良猫が、パンダに腰掛けた男性の下に集まる。男は、パンくずを与えている。
ぼろぼろの服を着た男。
「寝
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