青を折る/つめきり
街の境界で
2才児が、
空を裂いていた。人々のさまざまな傘が壊れだし
小さなハミング
ひびきにとらわれる、成長痛
からだの隅々で、こんなに軋むとは
思わなかったね
次から次へと間違いを正していく内側の黒さ
ビニル
黒
赤
膿、凛として美しい他人の癖を見つめる
傘が歩道橋の下で
くるくると回る赤は赤を塗り、ビニルは無機質を
澱ませ
さりげない舌打ちの
空っぽの口腔の
ささくれ
だれかが見ていると電線の2本目が痛んでいて
胸でとぎれない裂傷、しめつける回送の
けっして骨は骨を砕かない、つなぎとめ
青を遮る、見えなくなる人々の
2才児の目の位置を、点々とつたってくる
溢れたら
青をつたって降りてくる。わすれていたらさりげない
見ちがえた空を後頭部から、眺める
ねんまくの層が、余りきった広場の指の方でとぎれて
成層圏が、砕けた
前から後ろへ順序よくあふれる空席のベンチの膿
手のひらを眺めていると
関節の隅々まで 裂け目だった
戻る 編 削 Point(10)