おかもと君の夢/ふぁんバーバー
おかもと君は
わたしの初めての人に
なってもいいと思ってたのに
夢ばかり語って
てんこーして行ってしまった
手紙を書くよと言ったきり
年賀状もこなかった
おかもと君の夢は
とほうもなくくだらなかった
男の子はほんとうにバカだと思った
わたしはにこにこ聞いていた
こころのなかでは
ちがうことを期待して
ひじにとまったてんとう虫を見ていた
公園でロケット花火をした
向かいの新聞屋さんの二階の窓に向けて
ロケット花火を打ちまくった
おっかない人影が見えて
いのちからがら
ふたりで逃げた
おかもと君はほんとに楽しそうだった
砂場で寝転んで
星空を
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