氷の花/
ちぇしゃ猫
凍てついた大地に
透きとおった花弁。
水晶の葉。
小さくて
脆い棘をもつ
花が一輪。
誰が知るのか。
それはかつて
紅い花弁をもっていた。
棘すらもその身に纏っていなかった。
氷塊と冷たい風のみが
存在している中で
他の地へ
歩くことも叶わず
この凍土で
凍てつき、
不様に砕け散るよりは
己を氷に変えて。
ただ
花で在り続けようとしただけ…
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