眠りについたきみのそばを/
みつべえ
眠りについたきみのそばを
顔も名前もないものが通り過ぎる
祝福のように
ほしかったのは
花でも香料でも焔でも雷鳴でもなく
星をちりばめた苦悩のようなもの
「悲しみを盛る器」
いのちこそが きみを滅ぼすだろう
貧血した薔薇のなかで
はぐくんだ孤独のちから
けんめいに ふりしぼり
ぼくは ぼくを笛のように吹いた
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