じいさん/ごまたれ
僕は簡単に逃げ出す性格だ。
そして薬を飲んで
簡単に死んでしまったみたい。
気が付けば
真っ白な雲の上だった。
あらら。
マジで死んじゃった。
頭をポリポリかいてると
鼻歌が聞こえた。
振り向けば
白いひげもじゃのじいさん。
一枚の白い布をまいただけのような
そう
分かりやすいぐらいの
神様。
じいさんが僕に気が付いて振り向いた。
「あれ、もう来ちゃったの。」
じいさんは驚いたように白い眉毛を上げて
こっちを見上げた。
「お前さん、ちと早いなぁ」
独り言のようにじいさんはぼやいた。
「でも、人生に疲れちゃった
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