夜の雫/まどろむ海月
 







月の夜に
後ろから囁く
危うい光

 地獄にも
 天国にも
 行きそびれたね




傷の深さに降りる
水晶の測量器
 闇の奥で光るクリスタル
 でも基準点は?




痛みと悲しみは
星空のように燦めくが
 星座は幾多の面影を演じて
 彩煙のように流れていく




愛しい記憶は
微笑んだりにらんだり
涙を浮かべたり
それを水晶盤に配置して
夜空に放つのだが

なぜか
冬の星座にならず
オーロラ色の霧雨が
舞い降りてきた



 ねえ ぼくはもう
 かわかないんじゃないかなあ






 燐寸(マッチ)を点している
 間だけ浮かび上がる寂しさよ

 君は何を思いながら
 旅を続けているのですか





   











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