せいかつのために/ふるる
背が高くて猫背のハラピンが
丸めた背中の内側で何か書いている
「せいかつのために詩を書いてるんだ」
試しに読ませてもらうと
「星」 作 ハラピン
星をひとつぶ食べたいな
食べたらお腹が光るかな
だと
もう一つ
「お腹」 作 ハラピン
お腹が減ったよちょう減った
いや、子供電話相談室に電話しよう
だと
何が「いや、」なんだか
これじゃあだめなんじゃないか
と言うとむきになった
「せいかつのために書いてるんだ!もんくあるか」
大きな耳をびくびくさせて言った
やばい怒った
ハラピンはぷい
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