僕はいつもあの浜辺で継ぎはぎの夢を見つづける/「ま」の字
大陸東岸の島嶼では、なんとも夥しい数の
言葉が浜辺に堆積し続ける。行き先を持たぬ
者らは、最後は海辺に横たわるしかないのだ。
一日の始まりから終わりまで、波は鳥という
鳥のかたちを投げかける。悔いも、夢も薄れ、
彼らは鳥たちの屍体と重なりあい、やがて折
れ、潰れる。
「子供だった頃わたしは 薮のむこうに
大きな星が落ちてゆくのを何度も見ました」
(23歳 女 OL)
「僕は 町を走っ リリリりり、
歌を 歌いたくても 空ばかり 見て
いて えレレレれれ !」
(21歳 男 無職)
ゆうぐれる
この星の
大なる気圏がゆうぐれる
投与された鎮静
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