ジギタリス・ブリュ/ピクルス
『亜紀子さんや、小遣いくれんかの?』
「また、ですか。昨日あげた二千円は、どうしたの?」
『あ?…あれは、もう使ったから無いんじゃ』
「もう、まったく!ウチだって楽じゃないんですからね。お爺ちゃんだって、自分の年金があるでしょうが」
『年金は…使うてしもうた。なぁ、小遣いくれんかの?今日はな、みんなでゲートボールするんじゃ。行かんと仲間外れにされるんよ』
「…ふぅ。しょうがないわね、幾ら?」
『えぇと…三千円』
「ゲートボールに?」
『あ、いや、だから、その後でコーヒー飲んだりカラオケしたり。うひ、そんな怖い顔せんでや』
私の、お爺ちゃんはケチで近所でも有名でした。
だから
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