涙ノ星/服部 剛
 
掌(てのひら)にのせた 
一片(ひとひら)の恋の花 
千切って夜風に放つ 

そうして青年は 
破れた心のままに 
深夜の断崖の上に立つ 

目の前には只(ただ) 

闇塗りの海の低い唸り声
 
夜空に瞬き
哀しい調べを詩(うた)う
涙の星々 



















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