涙ノ星/
服部 剛
掌(てのひら)にのせた
一片(ひとひら)の恋の花
千切って夜風に放つ
そうして青年は
破れた心のままに
深夜の断崖の上に立つ
目の前には只(ただ)
闇塗りの海の低い唸り声
夜空に瞬き
哀しい調べを詩(うた)う
涙の星々
戻る
編
削
Point
(8)