帰葬/フユナ
 



灰青の砂に
うずもれていく白いかかと
すがる花がらと
たちのぼる月、銀色


行き
来する鳥が
銀盤に あばたをこしらえ
あちらに巣がある、
と君は僕を振り返らない


青色のひえた爪
それほどさむい
のに
帰らぬ、という硬い



駆け上がる流線の赤が
掠めていく
どこもかしこも白い
僕たちの手先、足先を
濃紺の夜に
あまりにもか細いが


それは物乞いのよう
紺を包もうとしては
破れ
僕のうえに
流線の赤をふらす
(ああこうして
 砂にかえってゆく)


ニアミス


青色のひえた爪
立ち止まっても
すねまではうもれず
ご随意に、というと
君は
わらう





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