【 拳 】/
豊嶋祐匠
手の平に握った
マッチ箱と
東京ドームの広さの違いを
理解できない、アイツは
親に叱られ
なお
それを理解するために
泣きながら、生きている
怒りに任せた、この拳に
いつも、いつも
理屈をつけたがる、俺たちは
何ひとつ
受け入れず
努力もせずに、生きている
何も
何ひとつも
何処まで生きても
たった一度も。
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