メモ/青色銀河団
*
ミドリイロに輝くボクのコトバ
ケータイを使わなくたって
あの100階建てのビルの
はるか上空へのぼり
ぼろぼろと
世界中の虹を溶かしこんだ
なみだを流し泣いている
*
神聖な
あるゆるものは
霧につつまれて
盲目の男が
一枚の過去に
署名する
夕闇の深まるとき
小石一つほどの
あなたを拾い
少し泣いた
*
鏡に映った浴室の
鈍色に光る銅製の浴槽から
海はあふれる
海が描く波紋の流れつく先
幾本かの陰毛が絡まる
排水口にも
小さな宇宙は生成し
それはやがて
鮮やかな
春の帝国へと
生まれかわる
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