ざん/船田 仰
髪の毛のびた、と言った瞬間に
傾いだランプシェードがはっきり見えた
そうだ懸命に丸々肥えた会話の破片に
まごうことないきみを見出す
えい、きっとこれで残像が、そっちに
14時間のタイムラグが積み重なり
つづけ
うん。が、目詰まりすることもある
華奢な女の子たちを横目で見送る
のに
あれ、と気付いて笑ってしまうことにする
きらきらには
なれん
えい、きっときみの残像が、こっちに
すきだよ
を
鉛筆削りでざりざり削って
憂鬱な朝に飲み続けるコーヒーよりも細かい粒子で
真ん中になすりつけて
そんで、
いいにおいの今日になる
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