棄却検定/あおば
 
もがく 
もがく

藻のないところで藻掻く
あたまの中に塩水が入って
考えることが辛くなり
すべては
旧態依然としたまま
塩漬けになり
保存されている

白く乾いた塩田を眺めて
山椒大夫は
憮然としてくしゃみをする
海が
塩が
眩しいから
目を細めて遠くの舟を追いかける
舟の中の
藻掻き方も知らないで
婉然と微笑んでいる妻の顔を見ているのか

雨が降る日も
舟に乗って
外に出なければならない
百人一首のような
客人を迎えに
モノレールの駅に向かうと
銀色のワンピースを身にまとった
二人の宇宙人が
婉然と微笑んでいる

髪を染めた

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