空蝉・うつせみ/わしず
 
おまえは無くなる事を恐れている
おまえは無くなる事に憧れている
頭の中では棺に入った亡骸を
想像している

意味のない 意味のない 想いを巡らせ
人は抜け殻となり
抜け殻に隠れようとする

誰も気づきはしない
七日目の時が経ち

ゆっくりとゆっくりと足が止まる

抜け殻ぐらい食らえるようなら
もっとマシな生き様であったろう

気づいた時には老いさらばえた


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