氷の島/
あおば
氷の島を溶かす暑い夏
限界を超えた炎暑が
氷の星を探しに
探索機を打ち上げる
そのオレンジ色の炎は
地上を明るく焦がし
ひきつけを起こした少年達は
一瞬の記憶を失うのだが
少女達は
夢見たような顔をして
ケータイのカメラに
自分の姿を写し込み
オレンジ色の未来に
一筋の光明を託す
忘れてしまった
衛星達の墓場から
薄汚れた氷の欠片を補充して
氷の島の代わりをさせる
男の子達の欲望が
氷の島の惑星を
溶かし続けて
次の氷河期へ
果たし状を突きつける
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