黒アゲハ/
蒼木りん
黒アゲハ
私が傍を通ろうとも
その場を離れずに
ひらひら
ふわりふわり
大きな羽で
何かに夢中
幼虫の頃
こんな姿になろうとは
思わなかったろうに
諦めた頃に
諦めたことも
忘れた頃に
皮肉なのか
宿命なのか
訪れるものがある
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