ファンタジー/あおば
風鈴が鳴く
バックの隅に
押し込められて
風が無いのに
りんりんと
微かな震え
ケータイの
受信音ではありません
青銅の
薄い胴を振るわせて
鄙びた形の風鈴が
りんりんと
微かに震え
蒸し暑い夜が
倍増されて
破裂して
俺たちのエネルギーは
途方もなく膨張して
希薄な観念を吹き飛ばし
もの凄いことを
涼しい顔して
やってのけてから
地上に戻る
超能力者
ひとことで
片づけるのは
惜しい
風林火山の旗の下
騎馬武者駆ける
信濃路を
C57蒸気は登れない
戯れ言カタコト
口はさみ
青葉の森の
ミミズク
消えたくても
帰
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)