ノート(陽雨)/
木立 悟
葉の塔が
空へ到き ゆらいでいる
ふたつに見ると
ふたつに見える
わがままな芽が
からだを迷い
爪の水を飲み
背に根付くことにして一息つく
食べものを見て
小さなけだものは眠くなる
雲の音 葉の音
大きなけだものがすぎてゆく
かちかちと雨の羽が呼ぶ
陽は唱うため他所へゆく
戻るときには銀を連れて
深緑に着飾る銀を連れて
[グループ]
戻る
編
削
Point
(2)