植物園の風景/
たもつ
薄く陽光がさしている
植物園では植物がよく育っている
今日は花が少ない、と言って
きみはラッパズイセンを植えている
母親に手を引かれた女の子が
しきりに言葉のようなもので何か話している
話したくないことも話さなければならないし
沈黙もまたやがて覚えるというのに
一生分話してもまだ足りないのだ
僕は隅っこで停留所を作っている
来年の春、バスに乗った
二人の幸せな姿を思い描いている
(2006.6.18)
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