【 父さんの氷 】/
豊嶋祐匠
その夜
父さんは
逝ってしまった
定年を経て
益々元気だった
朝から家の庭先
玄関へと
掃き馴らす姿は
幼き頃から見慣れた
ある種の威厳の
それを思わせて来た
父さんは
なぜ
今夜
逝ったのだろう?
なぜ
今夜と
決まったのだろうか?
ふと
そんな事を神様に
聞いてみたいと思った
父さんの
寡黙
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