【 父さんの氷 】/豊嶋祐匠
 













その夜

父さんは

逝ってしまった



定年を経て

益々元気だった
 
朝から家の庭先



玄関へと

掃き馴らす姿は



幼き頃から見慣れた
 
ある種の威厳の

それを思わせて来た












父さんは



なぜ

今夜

逝ったのだろう?



なぜ

今夜と

決まったのだろうか?



ふと

そんな事を神様に

聞いてみたいと思った






父さんの

寡黙
[次のページ]
戻る   Point(3)