レールと時刻表の話/アマル・シャタカ
 
かつての僕は
あなたという列車を
引き止めるために
真実と真心という
二本のレールを
一本
冒険に変えて
脱線させたものだった

でもそれは一瞬で
多くの人のために
あなたはまた
走らなくちゃならない

二本のレールは轢きなおされて
僕のもっていない
安定だったり時間だったり
愛やら恋って言葉だったりするようだけど
それでもあなたは
列車の使命を果たして走る

誰も終着駅がどこか何かなんて知らないさ

僕は耳をレールに当てて
あなたの鼓動を書き留める
余白には
あなたの通過時間
それは
僕が消える時間

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