途中下車/
石原大介
奥歯に力をこめるとサイコロが
意外なほど簡単に砕けてしまった
耳と耳の咀嚼する
ねばりけのつよい青空
と
鼻先に広がる雑踏
その一枚むこうで
花火が音もなくたちゆらぎ
ぽこん
と
はじけて白く残った
ありえない途中下車から
できるだけ高い建物のあいだを今日は
縫うように歩いて帰ろう
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